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明るい未来

■ 3月にようやく『地方分権の失敗 道州制の不都合』を刊行しました。そのあとすぐに「曲がり角の自動車産業と地域経済」「財政調整の考え方」「地方分権と財政調整」「発生地ベースの地方税源からみた財政調整」の作成に追われました。さらに著書のことで、経済同友会地方行財政改革委員会(委員長:池田弘一アサヒビール会長)などの講師に呼ばれ、それらの準備をしなくてはなりませんでした。梅雨の中休みではありませんが、きょうになって半年ぶりの更新です。
  ※掲載誌は、順番に『季刊 中国総研』No.46、『地域経済研究資料0901』、『エネルギア地域経済レポート』No.41、日本計画行政学会中国支部大会原稿です。


■ この間、気になる新刊にはなるべく目を通すようにしました。たとえば駒村康平『大貧困社会』、伯野卓彦『自治体クライシス』、木村英紀『ものつくり敗戦』、山下一仁『農協の大罪』、東谷暁『日本経済の突破口』、北沢栄『亡国予算』など。なかでも特筆すべきは増田悦佐『格差社会論はウソである』。

■ 氏の『高度経済成長は復活できる』(2004年)は好著なのですが、地方の目線からすれば何らかの反論をせざるをえないと思わせる問題提起の書でした。いずれ反論を述べたいと思っていたところへ、今度の新刊は400ページを超える大著。「日本人は執筆量を自制しがち」という主旨の記述がどこかにあったはずと思っても、あとから探し出すのが億劫になるほどです。

■ 日本の知的エリートは厚みが薄いうえに悲観的。むしろ日本の強みは、要求水準の高い大衆の層が厚いこと。知的エリートとの知的格差は実際には小さい。子どもや大衆の判断を尊重すべき。危機や不安を煽る知識人の言説に惑わされないこと。偏見や差別をなくせば日本の将来は明るい──というのが氏の主張です。

● 同著を読んでしばらくして、NHK広島放送局のディレクター氏から問い合わせがありました。「“ふるさと発スペシャル”というシリーズのなかで、中国地方のビジョンにつながる番組を考えている。おもしろい取り組みや人材を知らないか」というものです。思いついた人たちや取り組みを紹介しました。私自身は、「観光振興をするくらいなら、雇用対策を兼ねて山林を“もののけ一族”に返すことを優先すべき」「国内の自動車産業そのものは縮小する」といったように、増田氏の指摘ではないのですが、悲観的な材料提供ばかり。

■ で、生まれた番組が「ちゅうごく未来ビジョン 中国地方“アジアの楽園化”計画」(2009年5月29日放送)。VTRに撮ってあとで見たのですが、なんと“パラダイス”です。明るかったですね。私が担当している留学生がたまたまレポーターに採用されるというおまけまでありました。増田氏の著書と絡めて、考えさせられるきっかけになりました。


※私の著書『地方分権の失敗 道州制の不都合』の案内です。
http://www.gentosha-r.com/products/9784779004469/